TL小説ソムリエよむよむ感想日記

TL小説読みすぎな人生を綴るよ。オススメTL感想、レビュー、分析などなど。

姫君のたった一人の騎士

Amazonでチラリ見かけた見知らぬパブリッシャー、見知らぬ作家さんの作品なのですが、騎士と姫君のテーマはけっこう好きなのでタイトル買いしてみました。

電子出版のみの作品で、短編です。

姫君のたった一人の騎士 (AINE)

姫君のたった一人の騎士 (AINE)

あらすじ

2つの大国の海峡にうかぶ島国。その国では愛する騎士と共にあることで、強く心を持った女王の言い伝えから、王女が伴侶となる運命の騎士を選ぶ伝統があった。

20歳を迎え王位継承権を得た王女(金髪ロング)は、隣国からやってきた影のある騎士(黒髪男子)に心奪われ…。

感想

安定して読める、魅力ある世界観の作品でした。

架空の国を舞台にした物語ながらも、きっと花の溢れた美しい国なのだろうな〜と情景を思い浮かべられるステキな世界観。

エロス描写がスゴいとかキャラクターが突飛な設定なわけではないのですが、主人公が若いながらも王となることを意識した立ち振る舞いを持ちつつ、愛にまっすぐな姿勢がイッツキュート。静かながらもロマンのある話で、物語として好き!

雑談

失礼ながらオンライン出版の作品はスピード勝負なため校正が甘かったり物語のツメが甘いなども時にあるため、警戒心を持ちがちでした。

『姫君のたった一人の騎士』は短編で地味…とも言えるのですが、よい作品!と感じる底力があったので反省。自分が知らないだけで、いい作家さんまだたくさんいますわ。

ついつい安パイを求めてamazonでレビューが高い作品だけを購入して読みそうになってしまいますが、悪いレビューがついていても自分と好みが合わないだけという可能性も高いので、もっと挑戦していろいろ読んだり見たりせねばなあとしみじみいたしました。

人気がない作品でも自分が好きならいいし、人気があるから自分が面白く感じるとは限らないんですよな。

人外和洋

作品の質がピンキリで、好きな作品を見つけるために精神力と時間を要するインターネット小説投稿サイト。個人で書いて発表しているならではの、商業では売れないと判断されそうな攻めた設定の作品を見つけると嬉しくなります。

ムーンライトノベルで人外カップル作品をたくさん書いている作家さんが、ムーンで公開したものに加筆修正を加えてKindle出版されていたので購入。

概要

人外と人のカップルをテーマにしたファンタジーなTL短編集。舞台となる国や種族、キャラクター属性はさまざま! ムーンライトノベルで作者さんの作品を読んで、作風がマッチしたなら買い。

短編集なのと人外をテーマにしているだけあって、おとぎ話のような不思議な結末を迎える作品もあり。ほんわかした話もありますが、甘々グッドエンドのみを求める方には不向きかなと思います。含みのある結末も楽しめる方向け。

ふだんインターネット小説投稿サイトを読まない人であれば、商業TLとは一味違った世界観を垣間見ることができますぞ。

NTRデュラハンなどマニアックな世界を堪能できます。私は残念イケメンお稲荷さんの話が!すき!

感想

こちらのKindle本はおそらく個人出版だと思うのですが、一人でものを作るときに商品レベルまで仕上げるのは客観性を持つ必要がありますが、ひとりで自分が作ったものの抜けを見つけるのはとても難しいことだと自分は感じているので、こんなに高いクオリティに一人で仕上げちゃうなんてすごすぎでしょ、と嬉しくなってしまいました。

作品ごとのテーマ性のブレなさ、多様な舞台背景への作者の方の知識の豊富さが感じられます。こんなうまいテキストが野良で読めるなんて、インターネットってこわい。

インターネット初心者なのでわからないのですが、その道ではめっちゃ有名な方なんだろうか…。すごいなー。

主人公への自己投影と囚われる物語

小説投稿サイトのムーンライトノベルで『時の魔女と少年王』という長編作品(R18)が完結し、淫乱でショタではあるが純情というレアタイプのヒロインで、お話として綺麗に完結したことが嬉しくて静かにスタンディングオベーションをしております。よかった。

そういえばここ最近自分に自信がないヒロインの作品を読み続けていたため、特殊ヒロインに飢えていました。

男性向けエロゲでトラウマ持ち主人公ばっかりだと疲れるので、鬼畜戦士ランスみたいな主人公の作品も見たくなって来る心理と申しますか…。

主人公のスタンスを意識して作品を探すと、主人公というキャラクターはどうあるべきか論に踏み込んで迷子になりがちです。

主人公と自己投影

鏡の写真をぱくたそで検索したら、鏡餅しかなかった。

TLというかロマンスを見る際に主人公への感情移入という要素がありますが、主人公は読み手が理想とするような人物がいいのか? 読み手が持つ苦しみを背負った人物がいいのか?あるいは読み手にまったく予想もつかない思考を持つ人物がいいのか? と長年思い悩んでおります。

BLは女性性が不在なために登場人物に自分を投影することなく楽に読める、という説を聞いたことはあるのですが、同性の登場人物に対して読み手は自分を投影せずにおられないものなのか?

村上春樹の作品を読む人は、みんなやれやれ気分で読むのか? 『悪の教典』を読んだ人はサイコパスに自分を投影するのか?とか考えていくと深みにはまる。

商業TL(あるいはハーレクイン)で自分に自信がない女性が多いのは、他人に認められ救われるスカッと感を描写する目的と、自分に自信がある女性は読み手にとってムカつくから売れないのかもなーと長年考え続けております。

私はわりと雑食ですが、登場人物の行動原理が読めないと困惑して読むのがつらくなる時はある…。めっちゃ鈍感で万人に優しい流されヒロインをみると、いったい何を目的に生きているのか…?と気になるし…。

人によって囚われる物語は違う

私は子供の頃にFF4というゲームのシナリオに衝撃を受けて、それ以来ずっと人を好きになることで生まれる激情と後ろめたさに惹かれる病にかかっております。カイン大好き!

読み手が愛する状況や感情がさまざまありますが、書き手にももちろんある。いろんなシナリオライターや作家さんのテキストを読んでいると、書き手の執着する状況や感情が見えた時に「イイね!」とテンション上がります。

人の数だけ千差万別の世界の見え方があって、物語を読むことで他者の視点や感情を体験できるのってやっぱ面白いし、さまざまな物語を体験していきたいものです。エロい物語はとくに、自分で実際に挑戦すると痛い目に合ったり法に触れるしな!

スパダリは猫耳CEO

スパダリは猫耳CEO (ソーニャ文庫)

スパダリは猫耳CEO (ソーニャ文庫)

紙の本だと猫小屋の我が家では置き場に限界があるため、TL小説は電子書籍版が発売するのを待っています。が、今日は機運が高まって書店で購入して即読みしてしまいました…。うっうっ。

ざっくりあらすじ

現代日本が舞台。猫の恩返しによって、内気な女性がCEO黒猫に溺愛されてロマンティックデートしたりモフモフする。

感想

お前本当に読んだのか? みたいなあらすじを書いていますが、ばっちり読んだよ! 面白かったよ!

ベタといえばベタなTL小説的シンデレラストーリーではあるものの、ヒーローが34歳猫耳CEOという特盛設定をまとめる筆力よ。

自信のないヒロインが自分の役割を見つけて、自信に溢れるヒーローにもいろいろあって、という王道展開を踏まえつつスパイシーな設定の味付けでコミカルに読ませます。

この作家さんは、マッチョなようでいて無意識の弱さがあるバカヒーローを描かせるとうまいなーと改めて感じました。

セクシャルな表現はじれじれでバランスよかったです。攻守ともにやるな感。

雑記

昨日と同じようなコメントで恐縮ですが、猫耳CEOもノベルゲームにしたらさまざまな展開を楽しめていいんじゃないかな…。獣よりエンドとか、正気失いエンドとか、おばちゃんと友情エンドとか、さまざまな趣向に合わせた展開を描く可能性を感じる…。今こそ時を越えてゲームブックの出番なのでは?

あと、こんなに立て続けにソーニャ文庫の感想を書いていると最近はやりのステマ感ありますが、特に何ももらっていない通りすがりのファンです。

いちおうブログをamazonアフィリエイト連携しているのですが、CTRを見たいのが主で儲けを追い求めていないため、読んだ本の全ての感想を書いていません。

というわけで? 紀伊国屋でソーニャ文庫の電子書籍版が11/16(木)まで半額らしいです。Amazonじゃなくてもお得ならなんでもいいと思う!でも本当は電子書籍のアプリを一元化したい!(情緒不安定)

http://k-kinoppy.jp/eastpress/sonya_171102/web/

私が好きな作品も含まれていて、お得感ある。このチャンスにみんな読もう。そして、いい作品を書く作家さんがよりいい作品を生むためのマネーを!元気玉的に!

あと私が無限にTLを購入して読めるように、どなたか油田をくださっても良いです。石油王と出会いたいなどとおこがましいことは申しませんので、油田の方だけでよいです。

新妻監禁

新妻監禁 (ソーニャ文庫)

新妻監禁 (ソーニャ文庫)

新妻監禁という語感が強すぎてタイトルからして期待感があったため、電子書籍として配信後即読みですよ!待ってたぜ!

あらすじ

夫が殺された事件をきっかけに、屋敷に監禁されている新妻黒髪ヒロイン。愛する夫を殺した金髪男子は毎夜ヒロインのもとを訪れ、陵辱するが…。

感想

『水底の花嫁』を書いた作家さんならでは〜!と個性のあるミステリアスなストーリー運びでした。途中から読者は主人公を取り巻く環境に気がつき、この状況をどう打破するんだー!と手に汗握って読む展開。

序盤のヒロインの行き詰まった心理描写が秀逸で、セクシャルなシーンも含めてくらくらする感じが好きです。後半はちょっと駆け足な印象がありますが、後半の展開を厚くすると、もはやTLではなくなる気がする…。

ヒロインを見守るメイドの気持ちよ…!と、勝手に女子どうしの友情について想像して萌えていました。私は女子に弱いので、ヒーローへの思い入れを見失いがち…。

挿絵はお話に合っていて、繊細かつ陰鬱で美しい。ヒロインの雰囲気が特に好きです…泣いて我慢してるシーンとかイイ。

雑記

『新妻監禁』はノベルゲームにしたら面白そうだなぁと個人的に感じました。ヒロインの主観に対して、いい感じに危うい演出入れられそうな気がする…。沙耶の唄とか歪みの国のアリス的な…。

山野辺りりさんは12月に発売されるソーニャ文庫の新刊『愛を乞う異形』を書かれているそうで、タイトルの語感がこれまた強いため新作も楽しみです。

ソーニャ文庫はきょう『寡黙な夫の溺愛願望 (ソーニャ文庫)』と『スパダリは猫耳CEO (ソーニャ文庫)』を発売していて、どちらも愉快げな設定で超気になるのです。寡黙男子は好きだし、猫耳CEOという正気を失った感じの悪魔合体タイトルもよい。

青年王と真白き花嫁 〜竜の孵る日〜

10/19(木)までamazonKindle5周年セール開催中で、TL小説が大量に半額になっております。ポチりポチりと普段読むきっかけのないレーベルの作品を購入しました。

普段あまり読まない作家さんの作品を、この機会に!と思って読んだら、いきなり当たりをひいたので、超嬉しい!

ということで、人気作のようなので今更なのですが、お気に入った作品を紹介いたします。

黒髪不器用王さま×快活金髪まっすぐ姫の剣と魔法のファンタジーラブロマンス!

ざっくりあらすじ

剣と魔法のあるファンタジーな世界観。快活で剣も嗜む小国の姫であるヒロインは、幼い頃に隣国の王子を剣で打ち負かして再戦の約束を結ぶ。

約束は果たされぬまま16歳になったヒロインには、誰にも明かしていない秘密があった。体に「竜の卵」を宿しており、竜と言葉を交わすことができるのだ。

幼い頃に剣を交えた王子は約束を交わして以来会うことはなかったが、父親崩御しすでに即位していた。ヒロインの育った国に援助するという条件をともに求婚され、ヒロインは王家の一員として断ることができず隣国に嫁ぐことに。幼い頃のおもかげを残さない王子と再会するが…という不器用黒髪男子と、まっすぐ系金髪ヒロインのじれじれファンタジーロマンスです。

スキポイント

安定した文章力と、ヒロインとヒーローの心の機微、いい感じのワルさを魅せる悪役などなどバックグランドを感じさせるキャラクターがよかったー。

ベタベタのファンタジーでコバルト文庫を感じさせるような、古き良きザ・ラノベ!の世界観ですが、懐かしい感じがして私は好き!

なお、エロスはそこまで濃密ではないですが、心を通じ合わせる展開としては大切な演出となっております。

挿絵もドラマティックでいいな〜と思っていたら、以前感想を書いた『箱庭の初恋』と同じ絵師さんだった。絵柄の幅が広い方なのやも? この方の描く女子は、性格がうまく出たキャラクターデザインになっているように感じて好き!

tl-novel-love.hatenablog.com

作者の白石先生があとがきでキャラクターのその後の話を自サイトに掲載するかも…と書かれていたので検索したら、シリーズ化していて4作品のうち2作目以降はkindle unlimited対象!! ご褒美かよ!!!! ありがとうございます!

誓いのキスはウエディングの後で 青年王と真白き花嫁 (ガブリエラ文庫α)

誓いのキスはウエディングの後で 青年王と真白き花嫁 (ガブリエラ文庫α)

発売時リアルタイムで追えなかったことが悔やまれますが、セールきっかけで知ることができてよかった…と感謝しております。今後作家買いします。

ちなみに、kindke 5周年セールでTLを絞って探す方法ですが、私は広く見たくて「文庫」で検索しました。

好きなレーベル名や作家名で検索すると見つけやすいかなと思います。

猫好き伯爵の真摯な執愛

ムーンライトノベルから電子書籍化をはたした作品『猫好き伯爵の真摯な執愛』を紹介。

ざっくりあらすじ

1800年代のイギリスを舞台にした作品。恋に恋する誇り高き侯爵令嬢18さいふわふわ金髪ヒロインと、30さいニコニコ伯爵ヒーローが婚約。

恋愛結婚を夢見るヒロインは、あきらかに人の良いつまらないおじさんと結婚なんて!と婚約を破棄すべく奔走するが…。

スキポイント

お話のバックグランドの描き方が丁寧で文章力も高く、楽しく読めました。衣装のデザインやつくりを、きちんと調べて描かれる人なのだろうなーと胸がトゥクン。

恋に恋するヒロインが愚かなようで、恋愛結婚に意固地になるのはきちんと理由があって…という、幼さならではの思い込みから大人になっていく過程が◎。優しく包容力のあるヒーローはヤンデレなどではなく、単純に底の見えない人間であることの意外性が楽しかったです。

ヒロインには優しいが根本的には悪である、というヒーローはTL小説界でわりと見かけますが、ガチで一癖ある食えないやつだと感じるキャラクター性はメインヒーローとしては少数派な気がします。すごく強いわけではなく、むしろ弱さのある人物なのが逆に魅力的。

余談

全3巻予定で、最終巻である3巻は10月発売予定とのこと。

先日、数日間入院した際に夜痛みで寝れなすぎるがkindleをダウンロードすると通信量をくうため、ムーンライトノベル狩りをしていたら見つけた作品です。

面白さで痛みをしばし忘れられたため、感謝の投げ銭だぜ!と、退院後にkindle版を購入。エピソードを補足する加筆がマメになされています。嬉しい!

『猫好き伯爵の真摯な執愛』を書いた花粉症先生の他作品をムーンライトノベルで読みましたが、どれもマニアックな設定ながらもうまく描いていてリスペクトです。

『五寸八分の恋人』は日本が舞台とか萌えないかな?と思いながら読み始めましたが、ハイパーマニアックながらも一寸法師の心労や悔しさが伝わってきてトゥクン。夢中になって読み終えてしまいました。

花粉症先生の今後のご活躍もひっそりと応援しております。