TL小説ソムリエよむよむ感想日記

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元令嬢のかりそめマリアージュ

先日台風が日本列島を横断していましたが、TLを書かれている栢野すばるさんがtwitterで「嵐がすべてのきっかけの作品です」みたいな説明で自著の『元令嬢のかりそめマリアージュ』を紹介をされているのを目にして、気になったので読んでみました。

元令嬢のかりそめマリアージュ (エバープリンセス)

元令嬢のかりそめマリアージュ (エバープリンセス)

両親を亡くし意識を失い、目覚めた時には記憶の一部を失っていたもと令嬢のヒロイン。虐待に近い扱いを親戚から受け、自立を目指して家を飛び出し、辿り着いた貴族の屋敷で働き始める。
雇い主である侯爵家令息のヒーローはスペックの高さゆえ、様々な家から結婚を申し込まれているが乗り気で無いらしい。乗り気でない求婚を断るために、ヒロインに期間限定で結婚してほしいと依頼するが…?

ヒロインを見守るかわいそ系ヒーローの物語なのですが、記憶を失ったヒロインの不安が妙にリアルなのも読ませます。

自分の身を守るためにお金を稼いで自立しなければならない、と商売のタネを常に考え続けるヒロインは滑稽なようでいて、女性の自立への葛藤の切実さが感じられる…。

かわいそ系なヒーローは辛抱強くヒロインを見守っているさまが伝わってくるのですが、病に倒れたヒロインを心配するあまりに、テンパって素手で林檎を絞ろうとするなどの奇行がときたま描かれるのもよかったです。天然だし握力っょぃ。

初めて読む作家さんだったのですが、テキストと構成のクオリティともに高く、なんで今まで読まなかったのかー!と思いました。見つけることができずにいた、良作品! twitterで気にして読んでみてよかった…。

−明日もいい日でありますように。クリームのツノがうまく立ちますように!
元令嬢のかりそめマリアージュ(栢野すばる著 オークラ出版)より

なんでもないセリフだけど、ささいなことに希望を持とうとする切実さが細かいところから伝わってきて、文章のセンスしゅき!と思いました。最後になりましたが、エロさ度合いは薄いので、物語重視の方におすすめ!

作家さんもさることながら、未読の作家さんが多いエバープリンセス文庫を今後追ってみたい。

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