TL小説ソムリエよむよむ感想日記

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或る毒師の求婚

おもしろセンサーが発動したので、書籍版を購入しました。

あらすじ

或る毒師の求婚 (ソーニャ文庫)

或る毒師の求婚 (ソーニャ文庫)

王族は黒い衣装を身に纏う慣習のある国が舞台。王国では、王の直系を重視するため銀の髪をもった王族は神聖視されていた。

美しい銀色に輝く髪を持ったヒロインは家族に愛されて育つ。16歳で隣国に嫁ぐ約束だったが、誕生日直前に病に倒れ昏睡してしまう。

ギリ生きていたヒロインであったが、目が覚めても身体を動かすこともままならず結婚は延期。

昏睡から目覚めたヒロインの前にいたのは、ミステリアスな黒髪19歳ヒーロー。自分は医師であると名乗り、ヒロインに門外不出の治療を行うが…。

感想:ネタバレなし

毒師ってタイトルなくらいですので、人は景気よく死にます。全体的にインモラルな雰囲気ですが、ヒロインが極端に酷い目にあうことはありません。

女性の気持ちの機微を楽しむ、というよりはスーパーヒーローの暗躍を楽しむ物語になっています。

ソーニャ文庫のテーマは執着だと思っていますが、この作品に関しては執着ではなくナチュラルな狂気だな〜と思えた作品でした。

イラストは美麗で、ヒーローの表情の温度の低さがキャラクター性を表していて強い。

感想:ネタバレあり

ミステリアスな空気感の作品で初読ではまっさらに読んだ方が楽しいと思い、ここまではネタバレを伏せて書きました。ここからは、読んだ前提の話を書いていきます。

ネタバレまで間を置くために、ふたたび書影置いておきます。

或る毒師の求婚 (ソーニャ文庫)

或る毒師の求婚 (ソーニャ文庫)

いやー。ゴシックな世界観のサイコパス最強決定戦でしたね。

ヒロインの主観でみると、体調不良以外はそこまで絶望的な事件は終盤まで起こらないのがまた面白かったです。

女性向け作品においてドラマ性の高い初体験シーンを、この作品ではヒロインが100%意識をなくした状態で描いたのが鬼畜度がよく出てるなと思いました。

普通だったら、意識を無くしたヒロインをレイプするシーンではヒロインの意識が戻って取り乱す展開にするじゃないですか。そうはしないのが、このヒーローの感情の薄さを印象付けているなと。

ヒーローは純然たる悪ではあるものの、ヒロイン以外のメリットデメリットには一切関心がない。彼女がいなければ全員殺そうかな〜くらいの気持ちの人ですね。

TLでこんな悪に男子を描くのってすごいなーと感心しました。サイコパス設定のヒーローってそこそこいると思いますが、ガチ感がある。

やべえな感が強すぎて、ヒロインちゃんが幸せに暮らして、ヒーローが大量殺戮に至らないようにしてくれればオッケー!と謎の前向きな気持ちになれました。

物語の強さと大人向けという条件を生かしたクレイジーさ、とても良い作品でした〜。